セッション採録

基調講演
「次世代ネット社会に向けたNTTグループの取り組み」

国内総生産(GDP)の成長に占めるICT分野の割合は4割といわれており、まさに経済成長の大きなけん引役を果たそうとしている。労働力不足、医療、環境問題など日本や世界の抱える社会的な課題の克服に貢献するのもICTだ。

ICTは個人にも浸透し生活の質の向上に役立っている。ブログやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)など情報発信の手段の多様化だけでなく、新しいコミュニティーの創造、ライフスタイルの変化にまで結びつきつつある。

一方で影の部分が深刻になっているのも事実だ。昨年1年間に日本経済新聞に掲載されたICTのネガティブな報道は609件に上る。サイバーテロに代表される国家的課題から自殺サイトのような個人レベルの問題まで幅広い。これらを克服しなければICTの発展はない。

ユーザー個人のモラルを向上させる教育も必要。ネットワークではセキュリティー強化など我々通信事業者がやるべきことも多々ある。負の部分を克服することが、さらにまたICTの発展につながると思う。

NTTは今、次世代ネットワーク(NGN)の構築に努めている。NGNはインターネットの自由な発展を阻害すると思われる向きもあるようだが、そうではない。現行型のネットは今後も発展していく。

しかし、映像配信のような新しいサービスに対応するために通信スピードを確保してほしいという要望もある。なりすましなどを防ぐためにセキュリティーを強化したネットワークも必要だ。サービス提供者にもユーザーにも利用の幅が広がる。

NGNは3月にスタートし、東京23区に拡大。2010年度までには全国の光サービスエリアまで拡大させていく。

モバイル通信も現在の3Gネットワークを段階的に高度化する。2010年には次世代の「スーパー3G」のサービスを提供したいと思っている。実現すれば、携帯も光回線と同じような伝送速度が確保でき、固定、携帯ともフルIPの継ぎ目のないネットワークができあがる。

NTTは5月に策定した中期経営計画で「サービス創造グループ」を標榜した。こうしたネットワークの上では、NTT独自で行うサービスのほかに、サービス提供会社と共同で開発する環境を提供していきたい。

三浦 惺氏

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