セッション採録

セッション(2)
「ポストWeb2.0社会を探る」

チャオ氏 Web2.0の世界は激動している。利用サイトのランキングの上位は3年前には名前も知らなかった。最大の特徴は消費者がつくり上げる世界だということだ。 Web2.0企業はまだビジネスモデルが確立していない。ユーザー数ばかりが増え、もうけの基盤づくりが課題だ。今後の鍵を握るのは4つ。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)とオンラインゲーム、ウィキと呼ぶネット上の情報共有、ビデオだ。広告収益モデルを確立しつつあるのがSNSだ。

笠原氏 SNSは人間関係のインフラ。1対1だけでなく1対N、N対Nの関係も支えるのが理想だ。携帯電話や電子メールよりミクシィによる連絡が普通になってほしい。 三つの戦略を考えている。一つはメディア力強化。他社製アプリケーションをミクシィ経由で利用できるサービスを年内に始めたい。二つ目は広告価値の向上だ。ユーザーの属性が分かるSNSの特性を生かし、高い広告効果が期待できる。音楽などコンテンツの課金制サービスも始めた。

ホッニングスヴォーグ氏 今はパソコンだけでなく、様々な端末でブラウザーを使える。日本では携帯で高機能なアプリケーションをネットワーク経由で提供するサービスが当たり前。他市場はやっと通信インフラが整ってきた段階で、今後、同様のサービスは広がるだろう。

ウー氏 Web2.0には根本的な課題が2つある。1つは著作権。ネット社会では誰が、何を所有するのかの特定が難しい。ウィキ型サイトでは希少価値のある情報もあるが、誰が著作権を持つのか。 責任の所在の特定も課題。明らかに違法な書き込みもあるが、誰が罪を負うのか特定しがたい。Web2.0ビジネスの大半は不安定な土台の上に成り立っているといえる。著作権侵害を大声で訴える人が現れれば、すべてが崩壊する可能性もあるからだ。

ミクシィでは収益の9割が広告だというが、この割合に変化は。

笠原氏 コンテンツ課金サービスを増やしたい。SNSの広告価値が上がっていて収益の伸びが著しい。その意味で広告が中心であることは変わらない。

チャオ氏 SNSの広告収益モデルを考えるうえで一番重要なのは対象を絞った広告ができること。実際、米、英、豪などの大手企業はSNSが一番効率がいいと考え始めている。

プラットフォームとアプリケーションはSNSの上で共存していくのか、競合するのか。

チャオ氏 共存できると思う。技術情報をSNSが公開すれば、多くの技術者が対応するアプリケーションを開発し進化していく。

ウー氏 かつてOSがプラットフォームだった。ウェブが出てきてブラウザーがプラットフォームになり、その上に乗るフェースブックはアプリケーション。今はフェースブックがプラットフォーム化した。アプリケーション開発の中立性が鍵。技術情報を広く公開すべきだ。

ホッニングスヴォーグ氏 一つの大きな問題は、OSの種類が多すぎること。ブラウザーがアプリケーションのプラットフォームになるなら、高機能なアプリケーション開発者に対してオープン化することが必要となる。

 

 

 

 

デビッド・チャオ氏

ティム・ウー氏

笠原 健治氏

ダグ・ホッニングスヴォーグ氏

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