世界ICTサミット2009
 
講演レポート

講演 「グローバルICT企業への挑戦」

野副 州旦
富士通株式会社 代表取締役社長
海外でサービス拡充
野副 州旦 氏
野副 州旦 氏

富士通の現在のテーマはサービス事業の一段の強化、ハードウエア事業を成長軌道に乗せること、海外事業の利益率向上だ。一方で将来、成長が見込めない事業は整理する。HDD事業からの撤退という決断は、こういう経営環境が厳しい時期しかできない。

グローバル競争にさらされる顧客に価値を提供し続けるには、富士通自身がグローバル化を進めなければならない。ただ、この多様化したITの世界では、一社単独では顧客をサポートできない。世界で存在感を高めれば、おのずと海外のIT企業とパートナーシップが築ける。

海外への投資では1兆円はロスを出した。もちろん単に損を出してきただけではない。英国に拠点を置く完全子会社の富士通サービスは、2008年で5000億円強の売り上げがあり、約2万5000人の従業員がいる。もともと国策で誕生した会社だが、1981年から一緒に事業に取り組み、今では1件で1500億円を超える商談も獲得できるようになった。

ITサービスはハードウエアほど寡占化が進んでいない。シェア首位のIBMでも7%程度。富士通の高い能力、経験を生かしていける分野だ。クラウドやSaaSについても色々手を打っている。

「IT資産をどう所有すべきか」ということから、「ICTをどう利活用していくか」という時代に入っていく。今、開発している次世代スーパーコンピューターなどの技術開発が、クラウドでも十分生かせる。海外事業の拡大はデータセンターを核としたサービスという手法が一番近道だ。

4月に独シーメンスとの合弁会社を完全子会社化したのを機に、様々な海外企業からの協業、提携の申し入れが相次いでいる。初めてグローバル化の扉を本格的に開いたかなと思っている。ハードウエア、サービスの両輪でグローバルなビジネスを展開できる体制を早くつくり上げたい。

ページの先頭    ページを閉じる

世界ICTサミット2009 事務局
〒102-0075 東京都千代田区三番町2 三番町KSビル
TEL:03-3263-8695 FAX:03-3263-8693 E-mail:ict-summit2009@c-linkage.co.jp
Copyright © 2009 Nikkei Inc, ALL Rights Reserved