セッション・キーノート
アメリカの長期的成長に寄与

- ジョナサン・アデルステイン氏
アデルステイン氏
米国はブロードバンド政策で日本から10年後れをとった。回線スピードは日本が10倍、料金は半分だ。前政権の8年間は市場競争に任せればいいと考えていたが、通信大手2社の競争だけでは普及、低価格化につながらなかった。
オバマ政権はブロードバンド整備などに72億ドル(約7000億円)投入する。この政策はすぐに雇用を創出するだけでなく、長期的な成長にも寄与すると確信している。
行政での活用に課題

- 野田 聖子氏
野田氏
直近5年間で日本のICT産業の国内総生産(GDP)に対する寄与度は34%に達した。しかし医療や教育、雇用などの分野でICTの活用はまだ進んでおらず、国民は本当の良さを実感できていない。情報が紙で保存されているため、組み合わせて新しいことができず、デッドストックになっている。また個人情報に敏感になりすぎたため、病院や行政機関で情報共有にムダが生じている。
電子政府は3クリック程度で必要なメニューにたどり着けなければ便利でない。私はこういった行政サービスの実現のために「国民電子私書箱構想」を提唱する。納税者番号や国民総背番号のように上からの目線でつくるのではなく、国民それぞれが電子空間上にアカウントを持ち、そこで必要な書類を調達したり、履歴を管理できるようにしたい。
パネルディスカッション
官民の分担がカギ

- 谷脇 康彦
谷脇氏
日本では携帯電話加入者が1億人を超え、ブロードバンド回線は98.5%の世帯で利用可能になった。2010年度にブロードバンドゼロ地域をなくすのが目標だ。インフラの普及は中長期的には民間主導でやるのが最善。政府と民間がどう役割分担するかが大事だ。景気刺激策も大切だが、そのために(NTTのような)支配的企業の力が高まっても困る。
競争政策では不十分

- デービッド・ヘンドン氏
ヘンドン氏
その通りだ。ただ競争政策のみが問題を解決するとは思えない。支配的企業が自ら行う投資への意欲を妨げないようにしながら、他社との公正な競争条件を維持しなければならない。英国の場合、光ファイバーの全国展開は全人口の3分の2までは民間企業の努力でできるが、残りの普及に誰が資金を出すかが問題だ。
共用インフラを整備

- セシール・デュバリー氏
デュバリー氏
フランスでは光回線加入者を2012年までに400万に拡大する計画だ。複数の通信会社がインフラを相乗りすればムダがなくなる。人口密集地なら企業も投資効果があるが、過疎地は投資意欲がわかない。仏政府は7億5000万ユーロ(約1000億円)の予算をつけ、共用インフラ作りを支援している。