著作権保護とハッカー対策
司会 音楽をネット配信する場合、著作権保護の仕組みや違法コピーの問題も課題になる。
コーン 著作権の法律自体がインターネット・サービス・プロバイダーを保護する。音楽が複製できないような技術を開発している企業があるが、難しい面がある。音楽を暗号化してインターネットで送ったとしても、暗号を解かなくては音楽を聴くことはできない。コンピューターというのはもともとコピーマシンと言える。いかなる技術を用いても、なかなか複製を防止することはできない。消費者も、音楽に(著作権保護に関する)何かが加わって自由度が失われたら買わなくなってしまう。消費者は利便性のためにはお金を払う。99セントとか安くすれば、非合法な音楽を探さずに買ってくれる。ネットにおけるパワーは消費者に移っていることを認識すべきだ。さらに供給者、クリエーター、アーティスト、レコードレーベルに支配権が移っている。このことと戦うのではなく、これを認識すべきだ。
ライアン すべてのデジタルコンテンツが99セントでしか売れないとは思わない。著作権は非常に大きな市場になると思う。医療カルテを専門医に送り意見を聞く場合、医者は患者の記録を一度は読めても次の日には読めてはいけないはずだ。
司会 有名な電子商取引サイトの幾つかがクラッカー(悪意のあるハッカー)によってサービスを妨害された。
ライアン 今回の場合は全員が同じ場所に電話をかけて常に電話回線が使われているような状態だが、この問題は解決できるはずだ。ECにとってもっと怖いのは、例えば、百の異なったサイトを通じて、だれかが私が作っている商品やサービスを注文してくる場合だ。何千もの注文を受けて喜んで製品を発注したら、すべて本当の注文でなかったことが判明したとする。在庫がさばけないとビジネスは破壊されてしまう。こうした被害が頻発するだろう。
 |
| エリック・ブルーワー氏 |
ブルーワー インターネットはオープンであるがゆえに(クラッカーによる)攻撃が可能になる。派手に報道されたが、ほとんどは深刻な結果にはなっていない。米国経済が揺らぐことはないし、消費者の信頼も揺らいでいない。サービスの多くは交換が可能だ。ヤフーがダウンした時には他のサイトを検索できる。1カ所だけで起こったことがインターネットに大きな影響を与えることはない。クラッカーの一部は捕まるだろう。米連邦捜査局はかなり力を入れている。
司会 ECで「デジタルデバイド」は問題になるだろうか。
コーン インターネットの使い勝手の良さが最も重要だ。情報に対するアクセスやECができるだけ簡単にできるようにしなければならない。ECには携帯電話や携帯型音楽プレーヤーを使うかもしれないが、デジタルデバイドについては心配していない。あるとしても、期間は非常に短いだろう。
ブルーワー インターネットに新規参入してくる人たちのコストは、もっと安くなくてはならない。それによって参入が容易になり、富める者から豊かでない人たちへの技術移転が実現する。インターネットにアクセスできない人たちに技術を与えた場合、米国と同じようなことが起こるだろう。
青木 日本では先に進む者に対して被害を受ける者がいるからといって、先に進むのを抑えることが多い。デジタルデバイドによって生まれる敗者は別の枠組みで救済することを考えるべきだ。
マックスウェル インターネットは企業や個人生活を変革する技術であり、人々を排除することがあってはならない。米国は学校や図書館におけるインターネット接続を実現するなど、十分なサービスを受けられなかった人たちを救う努力をしてきた。多くの人たちがネットを利用するようになって影響も大きくなってきたため、政府が介入しなければならないことが出てきた。著作権保護もそうだし、より安い価格で通信サービスが可能になるような形にするための政府介入が必要だろう。官民が協調することで、消費者が正当な形でサービスなどの恩恵を受けられる環境を整えれば、貧富の差だけでなく、大企業と中小企業の格差などを解消できる。環境の整備という点では、まだまだこれからだ。
ビジネスモデルに新しい流れ
変わる取引慣行、企業への効果は
特許・税金の問題、発展にどう影響
|