世界情報通信サミット2001
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2月5日(月)−6日(火)の発言内容
From: 櫻井 豊   2001/2/5 9:30
Subj:【69】ケータイ用アプリ
そもそも,日本の環境では2.4GHzという周波数が意味ないというのでなければ,どうすれば,使い物になるでしょうか?

iモード(ならびにそれに類似するサービス)では,現在のように「お遊び系」アプリ以外に使い物にならないシステムだったので,そういうアプリしか出てこなかったのでしょうか?

そうではなく,あくまでも日本のいろいろな環境(ほとんどが人間の問題かも?)から,そうしたアプリしか出現しにくいのであれば,たとえ11Mbpsだろうが,あるいは100Mbpsだろうが,はてまた純粋なIPだろうがなんだろうが,着メロとバーチャルペットとゲームしか出てこないかもしれませんよね。

やはり日本の場合,たとえビジネスでもITを利用するのは「指令が来るのを待っている側」の人が大半なため,そういう人たち向けに便利なツールしかでてこないのでしょうか?

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From: 櫻井 豊   2001/2/5 9:52
Subj:【70】ブロードバンド議論
【45】小池良次
ケーブルモデムでさえ、昼間や深夜の回線が混んでないときだけ、ストリーミング・ビデオを何とか楽しめる程度で、テレビのように24時間安定して映像を楽しむことはできません。ブロードバンドというとやっぱり、45Mbps以上のスピードが必要だと思っています。ブロードバンドは、幻想の議論が多いですね。
一軒あたりに割り当てられる帯域幅と,その帯域幅を何軒で共用しているかと,そのネットワークサービスがいわゆる上流とどの程度の帯域で接続しているか,などを切り分けた議論をしないと,この文面だけだと無用な誤解が一人歩きしそうな気がします。

さらには,オン・ディマンド系にはContents Delivery Network技術が,同報系にはマルチキャスト技術が,すでにreadyであることも見逃せません。

この場が技術を論じられる環境にないのであれば,中途半端な技術論をするより,ビジネス論に特化したいと感じます。
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From: 櫻井 豊   2001/2/5 10:09
Subj:【71】帯域の基準
私の経験から得た感触に過ぎませんが,次の帯域が「概ね確保」できると,それぞれ以下のような人たちには受け入れてもらえるのではないか,と思っています。ここで「概ね確保」と申し上げている意味は,これらの帯域がMAXで運が良ければ出る速度というのではなく,たまに少し欠けることがあるかもしれないが,たいていは出る速度というような感じです。

100kbps
我々のような先進ユーザがニュースやテレビ電話を「結構使えるなぁ」と感じる。(テレビ電話はPolycomなどのハードウェアタイプのもの。NetMeetingでは駄目。)

300kbps
あまりインターネットやブロードバンドになじみがない人でも,ニュースやテレビ電話を「結構使えるなぁ」と感じる。(テレビ電話はPolycomなどのハードウェアタイプのもの。NetMeetingでは駄目。)

1Mbps
画質とかにこだわるタイプの人を除く一般の人なら,普通のテレビ番組程度のコンテンツなら,これで納得する。

4Mbps
特段と画質にこだわるタイプの人でなければ,これなら映画でも納得する。

なお,「画質とかにこだわるタイプの人を除く一般の人」については,主に昭和一桁生まれの母が調査対象です。(^_^)

それから江崎さんもおっしゃっていますが,常時接続は重要です。母も我が家のOCNエコノミーを家屋間屋外無線LANでつないで,はじめて自由自在に思う存分インターネットを使うようになりましたから。

細かい数字や表現をここで議論するつもりはありません。非常にラフな感触に過ぎませんが,何かのご参考になれば幸いです。
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From: 櫻井 豊   2001/2/5 10:20
Subj:【72】ホームサーバー
【65】岸上順一
私はやはりemailや電話などのコミュニケーションの手段がまずあり、さらにテレビのようなコンテンツ受信と場合によっては部分的なメタデータの発信かなと思っています。もしこの仮定が正しければ、何もネットワークにあまり過大な性能を求めなくても、ローカルにある大容量で低価格のディスクに必要な物を適当な時間に適当な帯域で貯めておけば実現できるのではないでしょうか?ライブなどを除けば何も実時間で享受する必要はないのですから。
CDNを極限まで,すなわち各自の家まで行う方法ですね。

回線サービスのコストが無視できないほど安くならない限り,この方法は非常に重要だと思います。つまり,当面はこの方向ももっと真剣に取り組む必要があると思います。

このとき,サーバにあたる装置に冷蔵庫を使うと良い,という話を聞いたことがあります。主婦にとって,24時間電源を入れていても疑問に思わない装置だからだそうで.....モーター音がしていても文句をいわないし.....
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From: 松本 功   2001/2/5 10:41
Subj:【73】参加の技術を強化することで、新しい展望はひらけないものか?
消費の技術というのは、かなりいのいきおいで、進んでいます。

また、考えてみると、そもそも、戦後の力の配分は、ダイエーの中内氏の「安売りの 哲学」に象徴しますように、消費者を強化することで、食品・衣料などの消費財にしろ、テレビや冷蔵庫やカセットデッキにしろ、消費する側を大きくすることで経済がなりたってきました。

マスが成立することで、「流行歌」やマンガなどのコンテンツも、なりたってきまし た。音楽についても、テープなどの複製するための媒体、放送などの番組で無料で音楽が聴けることも、マスが大きくなることで、ここの複製の問題は、基本的に無視されてきました。

デジタルが現れるまでは、作り手もその恩恵にあずかっていたといえるかもしれません。レコードメーカーと音楽機器メーカー・テープ作成産業が、重なっていた時代は、消費によっても、経済は回っていました。作り手はそこから排除されていたかもしれません。

消費の技術は、ついにでデジタルになり、複製の水準が大幅に向上してしまいました。この段階に来て、作り手の問題が大きくクローズアップされてきました。と同時に、コンテンツは、ビジネスにならないのではないかという悲観的な意見もでてきています。

ここで問い直されているのは、参加の技術が、実際にはほとんどないということではないでしょうか?消費の技術だけが、強化されてしまった結果なのではないでしょうか。これは、電子機器の問題だけではなくて、政治を消費することができるが、参加することが出来ないとか、いつまでたっても、選挙の宣伝カーは「がんばります」しかいわないこととも関係しています。拡声器で、一方的に話すことはできても、それに答えたり、反論したりする技術がないのです。

話をもとに戻します。消費の技術も少し改造するだけで、参加の技術に変わりうるのではないかと思います。ラジオ受信機が、改造すれば、発信器にもなりうるように。

ナップスターは、私は「超流通」のインフラになるのではないかと思っています。ナップスター社を買ったベデルスマンは、そういう判断なのかも知れません。

グヌーテラにしても、少数のグループの限定ライブにも使える機能を持っていると思います。そういうふうに改造してくれる人はいないものでしょうか。

参加の技術が、欠如しているところで、不正コピーを非難しても十分ではないのではないかというふうに思います。投げ銭で、50円玉をはらうのも、参加だと思っています。

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From: 山本 雄大  2001/2/5 11:25
Subj:【74】ケータイ用アプリ
【要旨】大学生〜20代前半の若年層でも、携帯電話を所持できる日本の状況が「お遊び系」を繁栄させた。しかし、iモードをはじめとする携帯電話のサービスは、実用情報やビジネスに十分対応でき、今後も発展すると思われる。しかし、動画系など従来未着手だった分野を除けば、今後ブロードバンド化しようが、人々の利用内容はさほど変わらないと思う。
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iモードが世に出る前からつき合っていますが、当初は、ニュースや天気予報、そして金融情報など、実用系、ビジネス系のコンテンツの話ばかり聞いておりました。また、当時のドコモユーザーの年齢分布が、他社よりもかなり高め(30〜40才代が中心)のため、この状態がしばらくは続くと思っていました。

当初は、iモード端末が高価だったためこの状況が変わりませんでしたが、その後の価格の下落とともに、iモードユーザーの若年化が進み、新機種発売とそれに伴う旧型機種の投げ売りで決定的になりました。キャラクタの待ち受け画面など、まさに「お遊び系」といえるものが登場したのもこの時期だと思います。(あとは、電子メールが、電話に続く第2のキラーアプリとなってしまったことも、若年層への普及に拍車をかけた)

また、不況だとかなんだかんだ言って、日本の大学生は、十分に豊かになっているため、iモード対応機を購入し、毎月の利用料もまかなうことが出来、「お遊び系」のiモードコンテンツを支えることが出来たとも思います。

しかしながら、大和証券のオンライントレードをはじめとする実用情報系、ビジネス系のコンテンツは、現在でも十分利用されていますし、これからもコンテンツプロバイダーは増えると思います。

ただ、あまりに「お遊び系」があまりに増えて目立っているため、このような状況に見えているのでしょう。

IMT-2000をはじめとする次世代以降の携帯電話では、ブロードバンド化が実現し、映像系情報の追加が実現すると考えております。

私は、個人的に、JAVAや動画配信で何が出来る様になるかに非常に興味があります。おそらく、IMT-2000では、動画配信の開始が大きな話題となるでしょう。

しかし、ある意味で、外出先等で携帯電話程度の端末で必要な(あるいは期待されている)情報は、今のiモード程度で十分と言うことかも知れません。つまり、ニーズはあまり変わらないかも知れません。

その意味で、桜井さんの予想は、残念ながら、当たっていると思います。
いま、一番恐れているのが、今回JAVA対応が典型ですが、あまりに「お遊び系」が目立ちすぎて、このような携帯電話のサービスが誤解されることです。

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From: 寺崎 明  2001/2/5 12:11
Subj:【75】米国の携帯電話の電波オークションなどについて
私自身、電波オークションについては、いろいろ意見がありますが、米国の電波オークションと通信料金の議論がでているので、理解しておかなければならない背景があります。

その背景をとりあえず、お伝えします。
米国では、かつて、オークションが導入されていない時、携帯電話事業の取得に際し、地域分割で免許されていたため、一定のエリアで、事業を行う場合、地域で分割された免許の買収を個別交渉で行い、事業開始するまでに、実際には相当な額の資金と労力が必要だったようです。従って、オークションでお金を払うといっても、元々、個別の免許の買収でお金を払っていたので、オークションの金額自体問題にならなかったということをテークノートしておく必要があります。
米国の場合、免許権の取得の個別交渉の煩わしさや金額交渉のつりあげ等を想定するとどうせお金を払うのなら、オークションの方が透明で楽だという背景があったということを理解しておいた方がいいと思います。日欧とは様子が異なるようです。

別の話で電波の利用で最近感じたことです。電波の利用について、地方行政の実施機関に来てみてわかったことなんですが、電波免許に際し、電波法上の規定に基づき、大蔵省的(大蔵省さんすいません)に有効利用なのかどうか職員はまじめに、詳しくチェックしています。従って、申請者にかなり難しい質問をしてしまうケースが多いようです。質問された方は、答えるのが面倒になり、駄目だと言われたように理解してしまうようであります。当方は、ノーのつもりはないわけです。電波の中身は難しいので、一般の方は諦めてしまうケースも多いようです。従って、こちらから質問するときは、回答も用意してあげるぐらいのつもりにならないとまずいなぁーと思っています。今、当局内の意識改革を進めています。
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From: 森 三十四  2001/2/5 13:21
Subj:【76】家庭内での情報環境
日本ユニシスの森と申します。
【67】関根千佳
今では日本の企業も研究所などはほとんど在宅勤務ができますし、営業はモバイル端末で「どこでも」仕事モードですので、ニーズは近いかもしれません。
拙宅は、近くにCATVが来てり、11Mbpsでのサービスの提供を受けております。CATVが敷設されるまでは、ISDNを利用しておりました。このコスト、時間、忍耐力の膨大な差異は筆舌に絶します。
1.この格差の上方均衡をはかる方策の模索。
2.その均衡レベルの基準。
がテーマだと思料します。
思うに環境の整備が経済原則に従って事業者に委ねられている現状では、格差が著しく利益追求の手段(言いすぎ?)として利用する場合は受益者負担でよいとして、弱者に対するありようが問われていると認識しています。
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From: 池田 信夫  2001/2/5 14:13
Subj:【77】電波の有効利用
少し説明しておきますが、安延さんも私も、「電波の有効利用」を訴えているのであって、周波数オークションがその唯一の手段だとは考えていません。事実、今度われわれのシンポジウムに招待するエリ・ノーム教授はオークション反対派で、フローの「通行料」のようなものにすべきだとしており、インターネットの父ポール・バラン氏は、ソフトウェア無線を使えば、空いている帯域をさがして電波は事実上無限に使えるので、免許は不要だと主張しています:
http://www.americasnetwork.com/issues/97issues/971101/110197_obdeck.htm

まあそこまで一挙にいかなくても、今の電波料のしくみがおかしいことは業界の一致した意見です。現在の制度では、無線局の数に対して料金がかかるので、周波数を有効利用すればするほどコストがかかります。これは不動産でいえば、土地は無税で建物が高いほど固定資産税がたくさんかかるようなもので、有効利用のdisincentiveになります。

おまけにその用途も、無線局の保護という本来の目的を逸脱して、地上波デジタル放送の「アナ・アナ変換」の補助金(今年度120億円)に流用されることになりました。電波料の大部分を負担している携帯電話業界の人々は、「なんで携帯電話の料金がテレビの補助金に化けるのか」と怒っていますが、表立って総務省には抗議できない。なぜなら、電波の世界では役所が企業の生殺与奪のカギを握る絶対の権限を持っているからです。

日本の「IT革命」を妨げている最大の障害物は、こういう前近代的な規制です。それに手をつけないで次世代の「ビジネス・モデル」を語るのは夢物語でしょう。
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From: 石黒 憲彦  2001/2/5 14:21
Subj:【78】政府の役割

【要旨】次世代技術、規格の議論において政府の役割は依然重要。問題はそのやり方とタイミング。重要なことは「朝令暮改」という批判を恐れないことではないか。
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経済産業省の石黒と申します。第3セッションの政府の役割に絡んだ議論が少し乏しいようです。それ自身期待が小さいということの証左かと思いますが、池田先生の問題提起で一瞬、第1セッションの議論と第3セッション議論が交差しました。この辺りで発言しないと完全にROMになってしまうと思い、はじめて発言させていただきます。

先輩の安延氏から政府による戦略は本当に求められているのかという問題提起がありました。私も本当にどうなのかいろいろな方のご意見をお聞きしたいと思ってますが、先日技術開発の今後の動向、課題についてトロンの開発で著名な東大の坂村先生のところに伺った際、OSをウィンテルの独壇場にしてしまったことに日本政府にいかに戦略がなかったかについて厳しいお叱りを頂戴して帰ってきました。

この分野技術革新が早いだけに官製規格がかえって進歩にブレーキをかけることがあり、そのためらいからもたもたしているうちに時代遅れで「デファクト」に打ちのめされるということになるようです。しかしながら、標準、規格といったものはプライベートドリブンを原則とするIT分野においても、市場関係者の予見可能性を高める上で引き続き政府が重要な役割を果たすべきと考えています。

その上で行政の対応の新たな方向は、中味を「変える」ことをためらわないということではないかと思っています。役人もそう馬鹿ではないので、技術開発プロジェクトにしても最初の計画は、大学、企業の時代の最先端を走る研究者、技術者と議論して企画していますから、そう陳腐なものではありません。問題はその後で、一度決めると予算執行上のつじつま合わせから柔軟性を失い、最後は陳腐化していくパタンに陥ります。時代の変化に沿って研究開発のターゲットを逐次修正していけばそれなりのものが残るのだと思います。企業の研究開発はそうやりますよね。当たり前のことが「建前」の中で陳腐になるのだという気がしています。規格も同じでしょう。「朝令暮改」という批判を恐れず修正していくということではないかと思っています。早めに試案を出して、パブリックコメントを求め一緒につくっていく姿勢が重要だと思います。國領先生のことばを借りればオープンアーキテクチャア型行政モデルですね。これまでの制度、行政の基本的考え方とは異なるので、いささか抵抗が強いのですが、内部から少しづつ変えていくしかないと思っています。

米国におけるNIIイニシアティブも振り返ってみると最初はインターネットと並んでFTTHなどハードなインフラが議論になっていましたが、公聴会やタウン・ミーティングのようなものを各地でやっていくうちにインターネットこそNIIというコンセンサスのようなものが芽生え、90年代半ばから電子商取引などアプリケーションが爆発的に普及していきました。アメリカ政府の戦略性の例としてNIIが上げられる方がありますが、中味としての戦略が優れていたわけではなく、コンセンサスメークの手法において革新性、戦略があったということではないかと思います。

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From: 山本 雄大  2001/2/5 14:35
Subj:【79】Bluetoothの有効性
【要旨】Bluetoothは、所詮、ケーブル接続が、汎用な無線接続になるに過ぎず、ユビキタスそのものを左右するものではない。しかし、ハンディキャップのある方のユビキタスの実現には、かなりの効果があると思われる。
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一般のマスコミのみならず、IT系のマスコミでもBuetoothを過大評価しているように思っているのですが、私は、あくまで接続ケーブルの代替えと考えています。(ただし、最近のUSBやIEEE1394の様に「何でもつなげる規格」とは認識しています)

このようにBluetoothをとらえた場合、一般に言われるユビキタスの実現にはあまり影響を与えないように思います。データ通信の手段の面からユビキタスを考えるならば、IMT−2000や街中で公衆電話の様に使える情報端末とか情報コンセント、情報スタンドとかを議論した方が良いのかも知れません。

たとえば、ネット会議の冒頭、で私が書いたアイデア(発言【19】)も、共通規格のケーブルと情報コンセント、あるいは、赤外線通信で十分代替えできるアイデアですから。

ただし、今回のネット会議になってから気がついたのですが、ユビキタスを「いつでも、どこでも、だれでも」と考えた場合、ハンディキャップのある方には、Bluetoothは有効だと思います。

つまり、プラグをジャックに差すという細かい作業をせずとも、あるいは、大体の居場所があっていれば、機器を接続して利用できるというのは、「だれでも」ネットが利用できるという点で評価できると思います。

ハンディキャップのある方に便利なものは、バリアフリーの住宅がいい例ですが、健常者にも便利なわけで、「つながなくてもいい」「コードが邪魔にならない」という面で、「敷居を下げる効果」はあるとは思いますが、「便利グッズ」で終わってしまう可能性もあります。
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From: 小池 良次   2001/2/5 14:45
Subj:【80】ブロードバンド議論
【70】櫻井豊
一軒あたりに割り当てられる帯域幅と,その帯域幅を何軒で共用しているかと,そのネットワークサービスがいわゆる上流とどの程度の帯域で接続しているか,などを切り分けた議論をしないと,この文面だけだと無用な誤解が一人歩きしそうな気がします。
そうですね。確かに。

最近、日本から多くの方がサンフランシスコに視察にやってこられて、たいてい「米国はブロードバンドが普及していると聞いている。どのくらいのものが見れるか教えてほしい」という質問を受けるからです。その場合、「ブロードバンドというのはウェブ(テキストとイラストベース)が数倍早く見えるという程度の話ならそうです」と答えています。「リアルオーディオでストリーミングを見たり、CDROM並の双方向プログラムを一般家庭や職場で楽に見れるのは限られた世帯だけです」と答えてもいます。つまり専門会議やデモで公開されているかっこいいブロードバンド・コンテンツが米国では一般に普及しているとは勘違いしてほしくないということを言いたかったわけです。

さらには,オン・ディマンド系にはContents Delivery Network技術が,同報系にはマルチキャスト技術が,すでにreadyであることも見逃せません。
確かにCDN(アカマイネットワーク)やたぶん衛星系(ディレクPC、昔のインタビュー)なんかもありますね。アカマイネットワークなんて世界中に数千のサーバーをおいていますが、さてCDNや衛星マルチキャストで24時間安定してストリーミングを楽しめるサービスをいったい米国の何世帯が享受しているのでしょうか?「見逃せない」というのは、純粋な技術という意味ではそうでしょうが、実際にユーザーが享受するという意味では消費者に実感を与えるほどの影響はないように感じますが。その辺、教えてもらえるとうれしいです。
この場が技術を論じられる環境にないのであれば,中途半端な技術論をするより,ビジネス論に特化したいと感じます。
すみません、たぶん45Mbpsみたいな言い方をしたのが、中途半端な技術論だったんですね。確かにその通りですね。失礼しました。

また、[gis-j 84] で具体的なスピードと感覚を説明されているので、助かります。
300kbps
あまりインターネットやブロードバンドになじみがない人でも,ニュースやテレビ電話を「結構使えるなぁ」と感じる。(テレビ電話はPolycomなどのハードウェアタイプのもの。NetMeetingでは駄目。)
1Mbps
画質とかにこだわるタイプの人を除く一般の人なら,普通のテレビ番組程度のコンテンツなら,これで納得する。
4Mbps
特段と画質にこだわるタイプの人でなければ,これなら映画でも納得する。
ということで、僕が入れているケーブルモデムも、ADSLも上記の300kbps以上のスピードは時々しか使えないのが現状だということを言いたかったわけです。また、現在のケーブルモデムやADSLでは、(たぶん、CDNやマルチキャストでも)一般的に(米国では)300kbps以上を確保するのは難しいと感じていますが、この点はいかがお考えですか?
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From: 寺崎 明  2001/2/5 15:28
Subj:【81】電波利用料について
池田さん(発言【77】)より電波利用料について厳しいご意見がありました。私は、かつて、電波利用料担当の電波利用企画課長もやっていたことがありますので、コメントします。

電波利用料の使途ですが、電波の有効利用を推進するため、当初、制度を作る段階では、
@ 電波監視(違法、不法無線対策)の実施
A 総合無線局管理ファイル(データベース)の構築
B 周波数資源の研究開発
C 周波数変更対策費 等
を検討いたしました。
当初は、財政当局や制度面の調整から@とAが認められ法律を改正してスタートしました。

その後、有効利用のための無線設備の技術基準を作るための試験とその分析の経費(Bに関連)が追加されました。

さらに、今、来年度の予算案に、電波の適正な利用の確保のため、国が周波数割当計画や放送周波数使用計画を変更した場合、周波数の変更に伴う無線設備の変更の工事を行う免許人等に対して援助する措置を追加しようとするものです(Cに関連)。今回は、おっしゃるとおり、Cに関連して具体的にはデジタル放送がらみの周波数変更に関する予算措置が案に具体的に盛り込まれていますが、携帯電話の電波利用料が放送に使われるのはおかしいという話ですが、放送のデジタル化が完成すれば、アナログ放送分の周波数の空きがでます。

需要動向によっては、その周波数を携帯電話に使うことも否定されません。携帯電話の利用料は携帯電話以外に使うべきではないということにしてしまいます

と、状況によっては防災等の公的な無線等の周波数変更等の用途が出てくる可能性もあり、硬直化するのではないでしょうか。
なお、今回の予算の追加に関連して、電波利用料の値上げは想定していません。

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From: 山下 鐵五郎   2001/2/5 15:35
Subj:【82】内外に透明な規制当局の在り方(立法府の出番)
通信機械工業会の山下です。
【77】池田信夫
日本の「IT革命」を妨げている最大の障害物は、こういう前近代的な規制です。
世界各国において、規制当局の在り方について検討されてきました。

すなわち、規制当局が、いかなる体制であっても、政治的や、商業的な圧力に影響されず、利用者の便益を目的に行動していることが肝要です。この視点で英国では一歩先が検討されており、OFCOMという独立規制機関を設立し、通信・放送の規制を一元化することにより、競争促進と利用者保護を柱とする、透明かつ柔軟な対応を実現しようとしています。私は、我が国においても、立法府たる政治の世界で検討が始まることを望む者です。
<参考>Communications White Paper/

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From: 櫻井 豊  2001/2/5 15:40
Subj:【83】ブロードバンドの議論
【80】小池良次
アカマイネットワークなんて世界中に数千のサーバーをおいていますが、さてCDNや衛星マルチキャストで24時間安定してストリーミングを楽しめるサービスをいったい米国の何世帯が享受しているのでしょうか?「見逃せない」というのは、純粋な技術という意味ではそうでしょうが、実際にユーザーが享受するという意味では消費者に実感を与えるほどの影響はないように感じますが。
56kbpsとか80kbpsなどのナローバンド・ストリーミングに関しては,24時間安定して楽しめる環境を提供するのに,実はおおいに役立っているのかもしれないと思っています。まずは,それでも立派な話で,これも出来ないと次に進めないですから。

マルチキャストは,同報系でしか利用価値が出にくいことや,ユーザーにとって直接的にベネフィットがあるのではなく,あくまでもコンテンツやネットワークを供給する側,つまり広義のプロバイダ側のベネフィットなので,目に見えるようになるまでには時間がかかると思います。
ということで、僕が入れているケーブルモデムも、ADSLも上記の300kbps以上のスピードは時々しか使えないのが現状だということを言いたかったわけです。また、現在のケーブルモデムやADSLでは、(たぶん、CDNやマルチキャストでも)一般的に(米国では)300kbps以上を確保するのは難しいと感じていますが、この点はいかがお考えですか?
ご指摘との通りと思います。

家内の実家(愛知県)で義弟がCATVインターネットに加入しましたが,スループット的には我が家のOCNエコノミー(128kbps)より悪いそうです。

しかし,先に私が指摘したような,では何が原因かという視点での切り分けは,ユーザーには間違っても開示されません。

もしかするとプロバイダ側に問題意識すらない方に500点ですらあります。

ここいらで誰かが本当のブロードバンドを見せてあげる必要があると思います。ただ,こういうことをやろうとすると,何故かあんまりユーザーのいない田舎から手がけちゃったりしそう。あるいは渋谷とか,良く知っている人が集まっているところからとか。

私は東京の住宅街,しかも賃貸集合住宅からはじめると良いと思っています。普通だったら家を買ったほうが安い家賃を払っている都市部の住宅都市整備公団賃貸住宅こそ,眠れる獅子となりえるはず,と。
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From: 山本 雄大  2001/2/5 17:50
Subj:【84】低速回線+大容量サーバー(Re: BlueToothは低速?)
【要旨】リアルタイム配信(ストリーミング)ばかりでなく、低速回線を使い、ホームサーバーなどユーザーに近い場所で情報を蓄積し、オンデマンドでユーザーに提供するサービスも、ブロードバンド時代には十分役に立つと思う。
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【65】岸上順一
私はやはりemailや電話などのコミュニケーションの手段がまずあり、さらにテレビのようなコンテンツ受信と場合によっては部分的なメタデータの発信かなと思っています。もしこの仮定が正しければ、何もネットワークにあまり過大な性能を求めなくても、ローカルにある大容量で低価格のディスクに必要な物を適当な時間に適当な帯域で貯めておけば実現できるのではないでしょうか?ライブなどを除けば何も実時間で享受する必要はないのですから。
岸上さんが仰るとおり、適度な性能のネットワークと大容量のサーバーがあれば十分実用的な仕組みとなると思います。

証券会社ならではの知識かも知れませんが、証券会社のショーウィンドウとかにあるQuickさんの株価ボードは、300bpsか1200bpsのモデムで昼間は常にサーバーと接続されており、随時データがディスクに記憶されて表示されていました。15年ほど前のモデムのスピードですが、これでもリアルタイムに株価を表示していました。

また、松下電器の品川にあるショールームのHIIハウスでは、ホームサーバーでテレビ番組を蓄積し、オンデマンドで見るという展示を行っています。

低速なネットワークでも、一旦蓄積しておき、全部が揃った段階で、もともとの帯域で再生可能としておけば、一般向けには十分に実用になると思います。

確かに、現行の地上波並の映像をインターネットのストリーミングで見るのも夢がありますが、あらかじめ見たい番組(あるいは、見ると思われる番組を自動的に)を予約し、当日中の好きな時間にオンデマンドで見るというのも結構、現実的かも知れません。

この場合、予約を入れた時点で、放送開始時間(=公開時間)までにダウンロードが終わるように設定しておけば、フルに帯域を使うわけでもなく、ネットワークの有効利用にもなるでしょうし、番組中に用事ができてその場を離れる場合のタイムシフトも柔軟にこなせると思います。

また、空き時間を利用してコンテンツを蓄積しておき、見た分だけ課金されるPAY PER VIEW的なもの(あるいは「置き薬」方式)なども可能です。

最近は、こういった動きの前触れか、ハードディスクが非常に安くなっており、ホームサーバーは価格的には十分現実的かも知れません。(BSデジタルのチューナーでやるという話もあるようですが)

もちろん、事業者の問題、ネットワークの問題(インターネットか、BSデジタルか、CSか)や、規格の統一、著作権管理、フライング(送出者が決めた時間前に見てしまう)対策などもあり、解決すべき点も多いとは思います。

しかし、ユーザーにとっては、今の地上波並の画質を見られれば十分なわけで、真のブロードバンド時代は、ストリーミング+蓄積型の混在が現実的だと思っていますが、いかがでしょうか?
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From: 前川 徹  2001/2/5 20:08
Subj:【85】政府の役割(可能な限り正確な統計)

早大学GITIの前川です。1999年9月から経済産業省(旧通産省)を休職して、早稲田大学国際情報通信研究センターで居候をしています。

【要旨】政府の役割の一つに「統計」がある。サイバースペースについても、可能な限り正確で、国際比較が可能な統計が欲しい。
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先週、先月末、電子商取引推進協議会(ECOM)、アクセンチュア、経済産業省の連名で、日本の電子商取引市場に関する市場規模・実態調査の概要が発表された。これによると、

日本のB2C電子商取引市場は、2000年:8240億円、2005年:13.3兆円

なのだが、これは米国の調査会社などが発表している数字と比較しても、あるいはインターネット・ウォッチャーの感覚からしても極めて大きい。

理由はその定義にあり、この調査における「電子商取引」とは、ネット上で予約、注文、決済が行われたものに限定せず、商品情報の入手や検索、価格交渉などがネット上で行われていればよい。

つまり、都内で数千万円のマンションを購入するのに、ウェブで情報収集すると、そのマンションの購入はECにカウントされることになる。この定義に従えば、数字が大きくなって当然である。しかし、ここまでECの定義を広くした市場推計は他にはないのではないか。米国の調査会社が世界(あるいは北米、米国内)のB2C電子商取引市場規模の推計値や予測値を発表しているが、(多少の定義の違いはあるが)ネット上で予約、注文、決済が行われたものに限定しているものがほとんどである。

定義の問題だと言ってしまえばおしまいだが、これでは国際比較ができないばかりか、定義を併記しないで引用されることが多いので、日本の電子商取引市場規模を誤解する人が生まれるのではないか。

ちなみに、米国商務省センサス局はネット小売に関する統計を発表しているが、2000年1-9月で、171.39億ドル(1億9710億円)である。

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From: 池田 信夫   2001/2/5 20:17
Subj:【86】電波オークションについて
発言【81】について

たしかに役所から見ると、それなりに論理はあるのでしょうが、この論理が成り立つには、10年後に地上波のデジタル化が完了し、アナログをすべて停波し、その周波数をテレビ局が返すという条件が必要です。この3つの条件がすべて満たされる確率は小数点以下でしょう。

最もありそうなのは、今の米国のように、両方ふさいだままデジタル放送が立ち往生することです。FCCの元委員長リード・ハント氏も近著で、「デジタル化でテレビ局がアナログの電波を返すなんて、FCCではだれも信じていなかった。議会の圧力に負けて700億ドルもの『史上最大の贈り物』を認めたことは、私の在任中の最大の失敗だった」と回想しています。

地上波デジタルがそんなにいいものなら、補助金を出すより空いているUHF帯をオークションにかけてはどうでしょうか。HDTVの価値が携帯電話や無線インターネットより高ければ、オークションで落札できるでしょう。補助金まで出さないと計画が進まないのは、消費者に評価されていない(業者もそれを知っている)証拠で、やめるべきであることを示しています。何が電波の有効な利用法であるかは、役所ではなく市場(消費者)が決めるべきです。
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From: 川崎 裕一  2001/2/5 20:25
Subj:【87】携帯電話と分散コンピューティングの組み合わせ
【要旨】IMT2000の端末が増えようと増えまいと端末は安くなるべきだ。分散コンピューティングで処理をし、表示を携帯電話で行う等の適材適所が必要なのではないか。
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最近思うことは、IMT2000になってもならなくても、携帯電話にすべてをやらせるのは間違いだと思います.携帯電話はその特性を生かしていくべきなのではと思います。

つまり、携帯電話で例えばエクセルのシートの計算をさせることが重要なのでしょうか?それならば無理に携帯にさせることはないでしょう。

今、PCが無いが、複雑な表計算がしたいというニーズがあったとします。こういう場合においては、「適材適所」が必要なのではないかと思います。
1.とある複雑な表計算をし、その結果のグラフを表示したい
2.シートの計算と、グラフの描画のタスクを、処理能力の高い(またはリソースがあまっている)PC/サーバで構築されるP2Pネットワーク等に投げる
3.そのP2Pネットワークはその処理を行い、結果をGIF化し、画像として携帯に投げる
4.携帯はその画像を表示する

参考ファイル:
http://www.jnutella.org/presentation/kawasaki/makeit.files/frame.htm の中の「I-mode:Right man in the right place」項を参照ください。

とすれば、端末はそれほど処理能力は必要とされないのではないかと思います。今の携帯電話のアプローチは、すべて端末に詰め込むアプローチなのではと思うわけです。なので、新しいものができたら、すぐに買い換えなきゃならないし、ユーザーが自分でいじれる部分も少ない。携帯の一部の端末でその特徴がでてきているように、「メモリーが多い!」などというPC化現象ともいえるのが起きているのは、ここに理由があると思っているわけです。

ユーザーの利便性を先ず第一に考えるならば、その発展のボトルネックを価格にしてしまうのはあまりにももったいないというのもこの考えのベースにあります。
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From: 中野 潔  2001/2/5 23:36
Subj:【88】major has made measure
【要旨】ツールの場合、身体感覚である程度よしあしが判断できる。作品の場合、『目利きを商売にしている人』が推薦しているから、この作品はいいのだろう−−という major makes a measure とでも呼ぶべき原理が働いていた。編集者やレコード会社や放送局が衰退していったときに、素人のクリエータをプロの域に育てる役割をどの勢力が担うのか、小生には見えない。
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杉井さんの「いい読者いい利用者がいるからいい制作物も出来てくる」には賛成です。
【44】杉井鏡生
こうした作る人と見る人のコラボレーションは、工業生産システムにも応用されていくものだと思いますが、こうしたなかで、新たな社会的な創作活動の文化がつくり出されれる可能性は高いと思います。そうした社会が進んでいくときには、知的所有権の枠組も、いまの形だけでスムーズにいくのかどうか考える必要がありそうに思います。

私が仕事で文章を書くときにその制作コストは絶対に回収したいと思いますが、創作文化という意味では、ことさら文書を制作した人だけに価値があるわけではなく、いい読者いい利用者がいるからいい制作物も出来てくるわけなので、読み手、利用者にも同等の価値が尊重されてはじめて社会的な創作文化が健全に維持されるのだろうと思っています。
ただ、アプリケーションプログラムやOSなどのツールと、「作品」とでは、ダイナミズムが違うような気がします。

それは「よしあし」と「好き嫌い」との違いなのかもしれませんが、まだよく(小生の中で)解明できていません。

<ツールと作品、よしあしと好き嫌い>
シェアウェアのアプリケーションや、Linuxの例が示すように、商売としてではなく創作している人たちの創作物が、商売としてではなく批評したり、創作の一部に参加したりしてくれる人々の参加によって、プロの商品の対抗馬になりうるほど、成長することがあります。

ツールの場合、身体感覚である程度よしあしが判断できるため、批評のプロでない人々の批評であっても、最大公約数のようなものを取り入れてブラッシュアップしていくことで、向上することができます。

そして、商売でない日曜シェアウェア作家の創作物で、「定番」として認知されるものが、ときどき登場し、維持されていっています。

小説や音楽の場合、この日経GISオンライン会議のような、物知りの集まりの中でさえ、「素人が無料でウェブに載せている音楽なんだけど、○○氏の音楽はすごい」とか、「日曜エッセイストの○○氏が毎週、自分のウェブに載せている批評はすごい」とかいった会話は、あまりありません。

一部の人から強烈に支持される 素人の作曲家や素人のエッセイストはいるのでしょうが、いわゆるメジャーには、なっていません。

当然のような気もしてきます。ツールの場合、人によって判断基準が違うとはいえ、野球の1塁方向と3塁方向との間の90度ほどには、使いやすさというベクトルが同調してもよさそうです。作品のように「好き嫌い」で決まるものにおいて、世の中の何十%もの人から好まれる−−という共有化された判断基準が生じるとは思えません(生じたらかえって気味が悪い)。

素人の作品に対して、批評のプロでない人々の批評がたくさん集まったとき、その言うことを聞いて、書き直して、作品がよくなっていくというのは、あまり想像できません。そもそも作品というのは、批評を受けて、次回作に反映することはあるでしょうが、書き直すというものでは、なさそうです。

その次回作への反映においても、素人のたくさんの批評を聞き入れて、凡作になることはあるでしょうが、秀作になる方向に進むとは思えません。

創作者は誰でも最初素人でしょうが、それを上達させたのは、プロの編集者やプロのレコード会社ディレクタなどなどであったような気がします。

<法政大学 白田氏の著作権理論>
話が飛ぶように感じられるでしょうが、法政大学の白田秀彰 専任講師の『コピーライトの史的展開』(信山社、1998)という労作があります。ここで白田氏が述べているのは、(史的展開のところを引用者判断でスキップしますが)

(1)クリエータの作品にディストリビュータ(出版社、レコード会社)が権利を認める
第1次著作物市場と
(2)ディストリビュータの商品にマーケット(読者、視聴者)が権利を認める
第2次著作物市場とでは市場原理が違うのに、2つの性格の違う原理を(故意か不作為か)著作権という1つの概念にまとめたところに大きな歴史的間違いがある−−と指摘しています。

(1)では経済的原理に並んで著作者の尊厳が大切になりますが、
(2)では投資回収手段の確保が肝要になります。

<ディストリビュータが自滅するのは自業自得だがその役割を代替する勢力は出てくるのか>
池田先生がよく指弾なさるように、著作権を守ろうという人の中には、クリエータ自身の権利よりも、流通チャネルを握るものの既得権益を維持しようといっているにすぎない人がいます。

ただ、クリエータからエンドユーザーに直接、作品が伝わるようになったとき、素人のクリエータを育てたり、原石の中から宝石をみつけたりする役割を担う人が出てくるのか−−というのが小生の素朴な心配です。

古い感覚かもしれませんが、ほめる人、けなす人がいてもいいが、時代が共有する(反発でもいい)作品があってほしい……。それは、(別に出版社やレコード会社でなくてもよいが) 「major」な勢力が(叩かれ役でもいい)「measure」になって、多くの人に認知されるものではないか。

ひつじ書房の松本さんは、別に既得権擁護派の味方でも何でもありませんが、ひつじ書房の言語学の本の定価付けに対して、ある学生から「隣国のコピー版なら、1500円ですよ」と、ひつじ書房があたかも暴利をむさぼっているように言われて愕然とした−−といっておられました。

学者の、読みにくい文章、読みにくい構成を直し、そもそも編集者のモチベーション設定と叱咤激励があってはじめて1冊の本が書き上げられる著者に対する プロの編集者(その仕事で飯を食っている編集者)の役割自体を、学生がまったく理解していない。

この「プロの編集者」の役割を誰が担うのかについて、月給とりの方からの発言も歓迎ですが、売上と収入とが直結する、プロのクリエータの方のお知恵もさらに拝聴いたしたく存じます。

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From: 三石 玲子  2001/2/6 7:43
Subj:【89】政府の役割(使えない統計、見えないビジョン)
三石です。

1)使えない統計について
下記前川さんの意見に全面賛成で、役所の役割として「使える統計」を発表するべきではないか、と思います。
【85】前川徹
先週、先月末、電子商取引推進協議会(ECOM)、アクセンチュア、経済産業省の連名で、日本の電子商取引市場に関する市場規模・実態調査の概要が発表された。これによると、
日本のB2C電子商取引市場は、2000年:8240億円、2005年:13.3兆円
なのだが、これは米国の調査会社などが発表している数字と比較しても、あるいはインターネット・ウォッチャーの感覚からしても極めて大きい。
1999年市場規模は3360億円と言っているが、その内ネット直販分は1400億円。2000年も8240億円と言っているが実感としては3000億いっていないでしょう。

米国の統計も定義の違いから2000年BtoCで230億ドルから1090億ドルまでありましたが、1090億ドル説は日本と同様「マーケティングのためのウエブ活用」を含む分です。

なぜ厳密で説得性のあるe-コマース統計を出さないのか、恣意的で疑問です。通産省の別のセクションに以前講演に行ったとき、「別の部署の担当だが数字の中身は疑問だ」とか言ってました。内部も説得できない統計をなぜ公表するんでしょうね。

2)ビジョンなき官主導IT革命について

官主導IT革命の最大の欠点は、IT化が進むことであるいは、5年以内に実施するという大容量・高速なネットが普及することで私たちの生活の何が変わるか、さっぱり見えないことでしょう。

首相官邸のIT政策を熟読しても、ライフスタイルについての記述はほとんどなし。ちりばめられている言葉は「楽しみ」「利便性」「多様な情報」程度。動画を駆使したゲームが楽しめるなどとも書いてあります。

この程度のことなら、別にITにお願いしなくとも手段は山ほど有ります。

IT化とは

・生活の規制緩和とcasualization
・機会均等促進(バリアフリー含め)
・選択肢の増加と選択権の顧客移行

という底流ではないですか? 役所の役割とは手段ではなく、ビジョンとシナリオを示すことだと思いますが。想像力が欠けていますね。

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From: 寺崎 明  2001/2/6 10:49
Subj:【90】電波オークションについて
地上放送のデジタル化については、アナログ放送のサイマルをベースにやろうとの前提が合意され、チャンネルプランをその方針で作っています。周波数が十分にないので、アナログ放送自体の周波数の変換も必要になり、受信側の変更等に予算を確保しようということです。競売するデジタル周波数がないんです。

IMT-2000の免許が終わり、当面、大きなオークションの対象が無いのが実状ですが、実は、IMT-2000に関し、オークションの是非について、各方面からご意見がありましたが賛否両論でました。賛成派は、池田さんのご意見のような感じで、反対派は、通信料金の高騰に繋がるのでよくない、米国でも失敗だという感じでした。 

いずれにしても、オークションは今後の大きな検討課題だと思います。市場原理だけで周波数を割り当てるのは、防災無線、消防、警察のように(携帯電話は、災害時いざという時話し中で使えない可能性が大)、明らかに、相応しくないものがありますし、オークションで得た歳入をどう使うのか(土地の不良債権財政全般の穴埋めにつかってしまっていいのか)など今後、真剣な議論・検討が必要だとおもいます。

最もありそうなのは、今の米国のように、両方ふさいだままデジタル放送が立ち往生することです。FCCの元委員長リード・ハント氏も近著で、「デジタル化でテレビ局がアナログの電波を返すなんて、FCCではだれも信じていなかった。議会の圧力に負けて700億ドルもの『史上最大の贈り物』を認めたことは、私の在任中の最大の失敗だった」と回想しています。

地上波デジタルがそんなにいいものなら、補助金を出すより空いているUHF帯をオークションにかけてはどうでしょうか。HDTVの価値が携帯電話や無線インターネットより高ければ、オークションで落札できるでしょう。補助金まで出さないと計画が進まないのは、消費者に評価されていない(業者もそれを知っている)証拠で、やめるべきであることを示しています。何が電波の有効な利用法であるかは、役所ではなく市場(消費者)が決めるべきです。
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From: 中川 晋一  2001/2/6 11:09
Subj:【91】電波→インターネットというドライビングフォース
総務省通信総合研究所の中川です。
【90】寺崎明
最もありそうなのは、今の米国のように、両方ふさいだままデジタル放送が立ち往生することです。FCCの元委員長リード・ハント氏も近著で、「デジタル化でテレビ局がアナログの電波を返すなんて、FCCではだれも信じていなかった。議会の圧力に負けて700億ドルもの『史上最大の贈り物』を認めたことは、私の在任中の最大の失敗だった」と回想しています。
まだまだ現実的ではないと思いますが…

MPEG2やMPEG4で1.5Mbpsの帯域にテレビ画像は押し込めるので、インターネットがある程度アクセス網が太くなると最終的なコンテンツ配送系として電波網に置き換わるとという見解もあるようですし、NHKに対してインターネットを用いた番組配送を行うことを認可したという事もあります。寺崎局長のおっしゃる電波市場の創生も一つあると思いますが、極論としては、「電波さえいらない。」かもしれないという意見もあると思います。

また、アナログ→デジタルによって消えてしまうかもしれない「ピッピッピッポーン」という放送の即時性(ほぼ遅延は5秒前後と思います。)を本当に捨ててもいいのでしょうか。地上波デジタル放送を研究開発しているグループは、MPEG2相当という伝播遅延2秒と言うツケをいつかは払わなければなるかもしれないと思っています。その点で、もし、インターネットにおける伝播遅延が1秒を簡単に切ってくるようになれば(光ファイバーによる伝送路の大容量化に伴うD-WDMの光周波数の割り振りの問題も現在の電波伝播と同じ問題になることも理解できますが)、電波→インターネットというドライビングフォースがかかるのではないかと思うのですが。
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From: 中山 靖司   2001/2/6 13:19
Subj:【92】 政府の役割(使えない統計、見えないビジョン)
東京大学先端経済工学研究センターの中山です。

前川さん、三石さんの「使える統計」を発表するべきとの意見に賛成です。統計には、絶対的な水準をみるという側面と、前期比等の動向やトレンドをみるという側面がありますが、現状ではどちらの面でも未整備です。

電子商取引推進協議会(ECOM)、アクセンチュア、経済産業省の調査は、1998年の推計から始まり今回で3年目だと思いますが、最初は、同じベースでの米国との比較を行っており、その点では意味があるものだったと思います。しかしながら、その後は1年に1回の調査で、発表するのは日本の電子商取引規模のみ(しかも1999年分はB2Bは推計していない)です。よくできた推計調査で、よく現状を分析されていると思いますが、残念ながら統計ではありません。

統計を作成するにしても、厳密な定義に基づくカバレッジの広い調査を行うことが難しく、また、推計が必要になる基礎データも多いことは想像できます。が、ある程度の割り切りのもとに納得が得られる形でベースをそろえ、定期的に統計元となるデータを収集する仕組みを作り(それこそITを使って自動収集でもしてほしいですね)、四半期毎くらいの頻度で統計値を発表することはできるのではないでしょうか。統計は長期にわたる連続性も大切です。早めに統計作成に取りかかることが必要だと思います。その上で、徐々に精度を上げていけばよいのではないでしょうか。

それが公式な統計として皆に認識されるようになれば、将来、政策の効果を測る尺度の一つとして使えたり、電子商取引に関連する税の問題を検討するときの材料になったり、GDPに与える影響を分析したりと、様々なところで役に立つのではないでしょうか。
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From: 高嵜 祐輔  2001/2/6 13:22
Subj:【93】 ブロードバンド議論
小池良次さん、櫻井さんのコメント、たいへん参考になりました。本物のブロードバンド未体験者にこういった事実が広く正しく認識されることは非常に重要だと感じます。

下記、コメントでかなり個人的にはスッキリしました。
【59】村上輝康
ブロードバンドネットワークのあり方を議論するに際しては、近場の議論をして将来にわたって悲観的になってしまわないように(また逆にもならないように)当面のIMT2000やADSLが実現しようとしているものと、2005年頃に実現すべき姿としてのブロードバンドネットワーク論を峻別しておくべきかと思います。
また別のメールで藤原さんが提示された類型が、当面の実現イメージの理解の際、参考にすべきものかと思います。
【53】藤原洋
今後の高速インターネット接続環境を進化させていくには、
1.Broadband=高速性では3段階くらいを考える
[1]常時接続でベストエフォー:ト数百k〜1Mbps
[2]帯域保証1.5Mbps
[3]帯域保証5〜10Mbps
[4]それ以上で最定義
*この視点からするとIMT2000は、ブロードバンドとは呼べない可能性が高い。
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From: 山本 雄大  2001/2/6 14:51
Subj:【94】 政府の役割(見えないビジョン)
三石さん(発言【89】)の仰るとおり、政府のIT戦略は、ユーザーである国民に何をもたらすのかがよくわかりません。最近のIT基本法やe-Japan戦略にも、いろいろと書いてありますので、少しは具体的なライフスタイルに絡む話が出ていますが「ホントに出来るの?間に合うの?」という感じです。

一応、私自身も参加している「インターネット博覧会(インパク)」ですが、こちらの方の目的にも、「実用目的のインターネットから楽しみのためのインターネットへ」というのが1番にあげられています。

思うに、世界が注目するiモードの成功をみて、「お遊び系」を前面に持ってくるのが、成功の鍵と思っているのでしょうか?

民間企業ならばともかく、政府が「楽しみ」なんていうのは、古代ギリシャやローマ時代を連想させますよね?

やはり、IT化というのは、生活を主体に考えれば、すべての人が便利になる、いろいろな情報を手軽に集めて生活を豊かにする、というのが目的だと思うのです。

また、結果として、iモードのようにユーザーが選択して「お遊び系」「楽しみ系」が増える分には、仕方がない(国民性の問題?)と思います。
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From: 内田 勝也   2001/2/6 19:12
Subj:【95】政府の役割(可能な限り正確な統計)
【正しくない報告を批判できる環境作りが大切なのでは?】

前川さん(発言【85】)がおっしゃるように確かに統計数字が正確ではありませんが、これは別に政府の資料に限ったことではないのでは?

4、5年前に電子商取引関係の組織を作るためにご協力頂きたいと関係するコンピュータメーカーさんが「奉加帳」を持ってきましたが、その時の予測でも「10年で黒字にします」なんて数字を持ってきました。 予測数字を最良・中間・最悪の3つのケースで考えて欲しい。 我々の実感では最悪の予測でも不十分かも知れない。少なくとも、10年で黒字になるような予測でこの出資に対して稟議をあげる訳にはいかないと言って修正させたことがあります。

ECOM等での発表数字も「数字も5割程度で考える必要があると言う話もあります」と私はセミナーなどではお話をしています。海外の調査機関が発表している数字だってその程度ではないでしょうか?

三石さん(発言【89】)は「恣意的で疑問です」とおっしゃっていますが、官庁・外郭だって推進をしたいから多少大きめの数字をだしてくるのでは?私自身は調査委託元や調査機関などの期待値だと考えてみています。 ただ、問題があるとすれば、これらの数値に関して批判ができる環境を作ることが大切なのではないでしょうか?

官庁がだす数字だから正しいなんて発想をしないで、経済予測みたいに官民競ってみるのも1つの方法かも知れません。
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From: 内田 勝也   2001/2/6 19:17
Subj:【96】政府の役割
【政府の役割として期待するものがあるとすれば、現在のやり方でも構わないのでオープンにやって欲しいと考えています。 ただ、現在の問題が単に政府だけにあるとは思えませんが。】
【78】石黒憲彦
先日技術開発の今後の動向、課題についてトロンの開発で著名な東大の坂村先生のところに伺った際、OSをウィンテルの独壇場にしてしまったことに日本政府にいかに戦略がなかったかについて厳しいお叱りを頂戴して帰ってきました。
これは、政府の問題だったのでしょうか? 直接、関係していませんでしたのでコメントが正しいかどうか分かりませんが、昔坂村さんのお話を聞いて「これではトロンの普及は無理だと思ったことがあります。」 トロン陣営を作らないで国内だけでやろうとした様に記憶しています。 その話を聞いて私なりにその様な判断をした後に米国からの批判があったように記憶しています。私自身は「ウインブルドン方式」でも、とにかくPCのトータルコストを下げる必要があると考えて、DOS/V推進をユーザーの一人として行ってきました。 世界標準から2倍位も高い国産PC、AT互換機を使わなければならない状況はどう考えても異常でした。

政府の役割で言えば、むしろ何をやるかを考えて欲しいと思っています。「官製のものは全て失敗している。 もうそろそろ規制緩和とか自由参入の道を開くだけでよい」 とおっしゃるかたもおりますが、この辺りは私自身検証ができていませんので何とも言えませんが、ケースバイケースの状況ではないかと思っています。

理由は幾つかありますが、政府がやっていることに関して言えば、

ISO9000、14000、15408等全て対応が後手に回っています。この面では戦略性がなかったと言われてもしかたがないのかも知れません。

具体的なプロジェクトで旗振りをしても良いと考えますが、少なくても公共事業のバラマキ的なやり方は考えて欲しいと思っています。

具体例を挙げれば

プロジェクトをやると報告書の厚さで金額が決まると言った話があります。(現在は事実ではないかも知れませんが、10センチで1000万円とか)某暗号関係の大先生にも経験したそうですが、発注側で評価ができないので、単に報告書の厚さで価格を決めると言った信じられないことをやっています。

せめて、きちんと評価機関を作り、そこで評価をさせる必要があるのではないでしょうか?勿論、評価機関に対してもそれなりの対価を支払う必要がありますが。

逆の面もあります。 果たして、政府が何もしないとどうなるかと言った例です。

ある業界で非常に重要と思われるデータをA社がたまたま取得することができました。A社の担当部長は非常に良いデータだから、業界全体で解析を行うことにしたいとの話がありました。説得してA社内で解析をしましたが、こんな結果がでるのはおかしい。業界で持っている研究機関での解析を考慮するともっと少ない値になるはずだ。との批判を受けたことがあります。最近、そのデータでの結果がオープンになりましたので、その値と当時の値を比べてみましたが、当時計算した値が大きいとは言えない数値でした。この例のように業界団体や官を頼らないと何もできない業界もまだまた多いのではないでしょうか?
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From: 榎本 裕子   2001/2/6 19:28
Subj:【97】政府の役割(見えないビジョン)
富士ゼロックスの榎本です。

政府の役割の議論ですが、日本に欠けているのはグランドデザイン、構想力とその展開力なのではないかと思います。これまでにも議論があったようですが(すみません、途中からの参加なので最初のほうの議論は見えてません)、90年代入ってからの米国の強さの源泉は米企業なのは言うまでもありませんが、私のような素人から見ても、米政府のビジョンの掲げ方、シナリオを実現するための方向付けは非常に上手いように思います。

今後の政府の役割として、「大きな政府」は必要ありませんが、安定した経済・社会生活の基盤としての国の役割はなくなることはなく、魅力的な国(市場)作りに向けてのビジョンの提示と、インフラ,人材、技術への投資は政府の重要な役割でありつづけると思います。

また、これまでの議論にはなかったようですが、私自身は、NPO/NGOとった新しいplayersも今後は重要な役割を担うことになるのではないかと思うのですが。政府(行政)・企業・NPO/NGOのパートナーシップのあり方は今後どうなるのか、関心があるところです。欧米での政策立案部分へのNPO/NGOなどの第3部門の関わりはどうなっているのでしょうか。
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